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[2007-08-20] ペルー南部での地震に関して

*****現地から届いた情報です*****

 

本日は赤十字や各国の救援物資が到着しだし、被災者への支援が始まりましたが道路の復旧や被災地の電気・水道の復旧が急がれております。

 

【余震の状況】

現在まで300回を越える余震が観測されております。

その中で体に感じるものは朝8時半と夜10時の2回(震度は1から2程度)

あり、朝のものはマグニチュード5でした。

余震とは別ですが、ペルー北部では今日の昼過ぎにマグニチュード4の

地震がありました。被害は無いようです。

これからも体に感じないものも含めて多くの余震があると思われます。

 

【被災地の状況】

金曜日夜の段階で死者は450名を超えております。

いまだに電気と水道が復旧していない被災地がほとんどです。

多くの家屋が倒壊している為に被災者が屋外で救援物資を

待っている状況です。物資は特に被害の大きいピスコの町を

中心に少しずつ届いていますが、被災者の数が多く、

リマからイカまでの道路も渋滞や復旧作業でスムーズではありませんし、

ワンカベリカへ続く山間部では道路が不通になっている部分もあるために、

まだ十分に行き届いていない状況です。

医療施設などを優先して電気や水道の復旧を急いでいますが、

多くの遺体を埋葬する墓地も不足しています。

夕方には救援物資を運んでいた軍のヘリコプターが着陸に失敗して

けが人が出るなど、不測の事態も発生しております。

 

【道路の状況】

リマからイカへの道路のなかで、特にチンチャの手前からイカまでの

60キロほどで被害が大きく、全体の30%程度にひび割れや陥没が

確認されております。リマからイカへの交通は確保されてはいますが

片道1車線しか通れない箇所があり、多くの車両があることに加えて

救援物資の車両などでさらに混雑しております。

そのため、今日の夜から大型トレイラーの交通を制限するなどの処置がとられております。

被害のあった橋で迂回用の道路が作られるなど、徐々にですが

復旧作業は進んでおりますが、完全復旧にはしばらくかかりそうです。

 

【治安の状況】

チンチャにあります刑務所の壁が一部崩れ、600人程の囚人が脱走するという事件がありました。そのうちの100名程度はすでに再逮捕されております。

多くはリマで再逮捕されております(そのうちの半数は自首)。

被災地からリマにかけて多くの警察官が再逮捕の為に動員されております。

リマで特に治安が悪化しているということはございません。

救援物資が遅れている場所では、被災者による商店からの略奪などが

発生しております。道路でも救援物資を載せた車両が渋滞で止まっている隙に

物資を盗まれるといった事も起きたようです。

 

【観光の状況】

今回の地震で被害を受けた南部の観光地の状況は下記となっております。

ナスカ :ナスカ地上絵やホテルの被害は報道されておりません。ナスカからの遊覧飛行も通常通り運行されておりますが、リマから陸路で来ることが特に大型車両では難しい状態です。

イカ :イカ空港を利用するリマからの空路終日ナスカツアーは本日も運行され

ました。ただし、イカの博物館が閉鎖され、ワカチーナ・オアシスへの観光も

中止されております。ナスカツアー内での昼食は本日は通常の食事が提供されましたが、ラス・ドゥーナスホテルへの移動の際に物資を狙った犯罪に巻き込まれる可能性を考慮して、空港内の建物での昼食となりました。明日以降も状況に応じて多少変化する可能性がございます。イカの空港は被災者のリマへの搬送にも利用されております。(本日のナスカツアーではリマへの戻り便には被災者も同乗いたしました。)

パラカス:バジェスタス島へのツアーは中止されております。復旧がいつになるかは未定です。パラカス国立公園では有名な岩が崩れるなどして現在閉鎖されております。

 

リマからイカへの道路の復旧がある程度進み、交通量が減ってスムーズに流れるようになるまではイカ・ナスカへの陸路での移動は控えたほうが良いと思われます。リマの観光地や空港、クスコやプーノ、アレキパなどの主要観光地は

通常通りに観光が行われております。