私的旅行記
グァテマラ
1996年2月、日本からグァテマラに向かう途中、マイアミに一泊した。空港ホテルのテレビではマイアミ沖でキューバ軍によってアメリカ民間機が撃墜されたと大騒ぎしていた。なにやら戦争でも始まらんばかりの様子だ。でも私の心は約10年ぶりの本格的なぶらぶら旅行へ向かう自分を歓迎してくれているバックグラウンドミュージックぐらいにしか聞こえなかった。アメリカはただの通過...
メキシコシティ
メキシコシティに戻ると今回の旅の最後がいよいよ近づいてきたのを実感した。
メキシコシティは巨大な都市だ。私は最後に、カトリック三大奇跡の寺グァダルーペ寺院、国立人類学博物館、ティオティワカンの大ピラミッドを訪れた。どれも良かったのだが、それよりもメキシコシティでは孤独感ばかりを感じた。今回の旅行で初めて感じた孤独感だった。
最後の晩餐で日本食レスト...
グァナファト
そこは本当におとぎの国から飛び出てきたような場所だった。中世ヨーロッパのコロニアル世界だ。そして学生の街。自分が10年若かったら留学することを考えたかもしれない。メキシコへこれから行こうとしている人は騙されたと思って行ってみたらいい。そして夜の街をさまようことできっとその訳に気が付くことになるだろうから。
この街で多くの旅人と知り合った。ドイツ人、イギリ...
オアハカ
メリダからバスでヴィジャエルモッサを乗り継ぎメキシコ中央高原のオアハカを訪れた。オアハカに至る途中の景色はよく映画などで見かけるようなサボテン一色に染まっていた。
オアハカではちょうど自転車レースの大会が催されるらしく非常に賑わっていた。特にソカロ周辺は昼夜関係なく楽しい雰囲気だ。オアハカは先住民系のインディへナが多いところでもあるので道端の民芸品売りを...
メリダ
メリダ滞在中有名なチチェンイツァのマヤ遺跡へ足をのばした。メリダから2等バスで約2時間、チチェンイツァは暑い。そしてものすごい数の観光客。そのほとんどがカンクンから来たのだろう。今回の旅行で初めての観光地らしい観光地。日本からの人もかなり多い。
この遺跡で残念だったのは遺跡の周りが綺麗に整地されていたこと。ティカールのようにイマジネーションがかき...
ベリーズ
ベリーズはガリフナと呼ばれるカリブ系黒人をはじめとする黒人と先住民インディへナ、中国人達で構成されているがもう圧倒的に黒人たちの国だ。グァテマラとは対照的にインディへナ系の人々はあまり目立たない。
グァテマラとの国境からベリーズシティ行きのバスがあるが途中すぐに降りてシュウナントニッチと呼ばれるマヤ遺跡に立ち寄った。
川を「渡し」で越えると...
ティカール
スイス人、ドイツ人、フランス人、そして私日本人を乗せた混成部隊のボートは濃密なジャングルに囲まれた川の静寂をけたたましいエンジン音と水しぶきでかき消した。それに併せて何十羽もの水鳥達が真っ白い羽を大きく羽ばたかせながら飛び去っていく。ふと太古の森に迷い込んでしまったような錯覚にとらわれてしまった。
フロンテイラスというフローレスへの幹線道路がある...
リビングストン
さて目指すはリビングストンだ。やはり大西洋岸に面した小さな町。ただここへは陸路で行くことはなかなか難しい。目指すには船かボートで行くしかない陸の孤島だ。朝10:30のプエルトバリオス発リビングストン行きの船に乗り込む。乗客は黒人かドイツ人、スイス人、私を含む貧乏旅行者だけだ。1?2時間船に揺られるとそこはジャマイカの世界だった。
桟橋で客引き、物...
アメリカ
彼は今回ニューヨークへ友人と会いに行く途中で飛行機に乗るのは生まれて初めてだという。離陸の際彼は顔面蒼白になり冷や汗をたっぷりかいていた。顔に『恐怖』と言う文字が浮かび上がっていた。離陸後、地面がどんどん離れていく光景が本当に信じられないとでも言いたげな表情をこちらに投げかけてきた。
私は自分が初めて飛行機に乗ったときの事を思い出した。あの時は確かパ...
パナハチェル
このパナハチェルはアティトラン湖のほとりにあり、この湖沿いに点在する村への中継地点にもなっている。これらの村々ではそれぞれ独特の民族衣装(ウイプル)をまとった人々の姿を見ることができる。船を使うのもいいがゆっくり歩いて1つ1つ村々を巡るとそれぞれ違いが分かってとても楽しい。独自の文化を守って暮らしている人々を見たら、すべてをかなぐり捨てて消費文明に突っ走っ...