ペルー観光公式ガイド
クスコ(CUSCO)
クスコは11~12世紀ごろに建設され、太陽神を崇拝するインカ帝国の都として栄えた。ケチュア語で「ヘソ」を意味するこの都市には帝国内のあらゆる地方から人々が集まり、まさに世界の中心地とされていた。しかし、16世紀になるとスペイン人の征服がクスコにも及び、インカ帝国は一瞬にして崩壊する。征服者たちは、太陽の象徴である黄金で彩られた神殿や宮殿を破壊し、金銀を手当たりしだい略奪してインカが築いた精巧な礎石の上にスペイン風の教会を建設していった。
標高3,360mに広がるクスコの町並みを一望できるのは、インカ時代のクスコでも最大規模の城砦、サクサイワマン。毎年6月にはインカ時代の儀式を再現した、南米三大祭の一つである「太陽の祭り(インティライミ)」がここで催される。
インカ時代の美しく精密な石組みと、スペインのコロニアルな建築物が融合したクスコには独特な雰囲気が漂う。またここは、マチュピチュ行きの列車の出発地として観光客で賑わっている。
おもな見どころ
町の中心であるアルマス広場に面したカテドラルは、インカ時代のビラコチャ神殿の跡に100年がかりで建てられたもの。同じく広場に面したラ・コンパーニャ教会では、クスコの画家、マルコス・サパタによって描かれた見事な壁画を見ることができる。
ラ・メルセー教会の奥にある宝蔵館は、宝石がちりばめられた黄金の守護神Custodiaが必見。また、サン・フランシスコ教会・修道院には、フランシスコ修道士たちを描いた12m×9mの巨大な絵が展示されている。インカ時代、最も重要な建物であったコリカンチャと呼ばれる太陽の神殿は、のちにサント・ドミンゴ教会になった。
スペイン征服者たちは、金に覆われたこの神殿を見て、息を呑んだという。スペイン人が新しく建てた教会は大地震で幾度となく崩れるが、インカ時代からの土台である石組みは今でもひずみひとつ起こしていない。その「カミソリの刃一枚通さない」みごとな石積みは、クスコのいたるところで見ることができる。博物館は、17世紀初頭に建築された海軍提督ドン・アルドレッテ・マルドナルドの屋敷を使ったインカ博物館と、第6代皇帝インカ・ロカの宮殿を土台としてスペイン人が建てた旧大司教庁内の宗教芸術博物館、宗教画で埋めつくされているサンタ・カタリナ博物館がある。
行き方
飛行機:リマから所要約1時間。
バ ス:リマからアレキパ経由で約32時間