ホーム  > VOAR旅情報   > イグアスの滝

VOAR旅情報

轟音と色彩の一大ページェント
ブラジルとアルゼンチンの国境にまたがる世界最大の滝、それがイグアスの滝だ。大小合わせて275もの滝が幅4キロにわたって広がり、最大落差は80メートル。数字を聞いてもなかなかピンとこないが、有名なナイアガラでさえ幅約1キロ、落差50メートルなのだ。

 滝に行くには、28キロ離れたフォス・ド・イグアスの町が玄関口になる。まっすぐに延びる広い道を行くと、やがて瀟洒なピンク色の建物「ホテル・ダス・カタラタス」が現れる。ここがイグアスの滝の展望台があるところだ。対岸のアルゼンチン側に見える大小無数の滝が、白いしぶきを空高く舞い上げながら、滝壺に向かって一気になだれ落ちていく。辺り一帯には地面を揺るがすほどのゴォーゴォーという轟音。滝壺の近くにいる観光用のボートも、ここでは小さい米粒にしか見えない。視界いっぱいに広がるイグアスの滝は、想像をはるかに超えるものがあるが、これがイグアスの全容ではないのだ。

イグアスの滝 展望台から続く遊歩道を行くと、ある時は怒濤のように、ある時は雄大に、光によっても色彩を変え、さまざまに変化して私たちを楽しませてくれる。なかでも最大のハイライトが「悪魔の喉笛」と言いわれるところ。
手を伸ばせば届きそうな頭上から、凄まじい水量の滝が覆いかぶさるように落ちてくる。地響きと水しぶきで立っているのがやっとなほど。それはまるで名前のとおり、狂った悪魔が唸り声を上げながら、私たちに襲いかかってくるように写映る。
 こんなイグアスに、優しい彩りを添えているのが幾重にもかかる美しい虹だ。あちこちにかかる虹で、イグアスの空はいつも七色に輝く。 またここは、蝶のパラダイス。毎年2月から4月ごろ、500種もの色とりどりの美しい蝶が乱舞する。虹も蝶も、悪魔のイグアスをなだめるために遣わされた天使、自然の粋なはからいなのかもしれない。