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白い石造りの家々と木々の緑が美しい街
世界有数の穀倉地帯パンパ(太平原)を背景に、ラ・プラタ川の河口に開けたアルゼンチンの首都、ブエノスアイレス。大通りが碁盤の目のように走り、白い石造りの家々と、木々の緑が目にも眩い美しい町だ。
 町中にはたわわな枝を繁らせたユーカリの並木道や、パレルモ公園などいくつもの公園が点在し、行き交う人々に涼しげな影を落としている。特におすすめなのが夏を迎える11月ごろ。紫色のジャカランダや、黄色いパティスの可憐な花々が咲き乱れ、風に舞い散る花びらで色とりどりの絨毯が道に敷きつめられるからだ。


ブエノスアイレスは2度の世界大戦によって莫大な富を得、「南米のパリ」と称されるほどに栄耀栄華を極めた。その面影はカサ・ロサーダ(ピンクの家)と呼ばれる大統領府や、世界3大劇場に数えられるコロン劇場など数々の建造物に見ることができる。また、ポルテーニョと呼ばれる町の人のお洒落なファッションもそのひとつだろう。フロリダ通りには欧米の最新モードが並び、ブティックでもセンスのいいファッションを楽しむことができる。

 町がいっそう賑わいをみせるのが夜もとっぷり暮れたころ。クラブや劇場でタンゴショーが始まるからだ。本場ならではの超一流の演奏家とダンサーによるショーが毎夜繰り広げられ、2時間余りの舞台に酔いしれる。その後は近くのバールに行き、タンゴの話に花を咲かす。ブエノスアイレスの夜はいつまでも明けない。