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詩情豊かなガウーショの故郷
多民族国家ブラジルは、南から北まで,ひとつの国でありながら実に多彩な表情を持っている。その中でも、ポルト・アレグレを州都とするブラジル最南端のリオ・グランデ・ド・スール州は、ドイツ系やイタリア系移民が多く、ブラジルの中で最もヨーロッパ的な雰囲気が漂うところだ。

 この地方は日本と同じく四季があり、近郊の大草原や丘陵地帯は、11月から2月にかけて花におおわれた一年で一番美しい季節を迎える。とりわけ、ポルト・アレグレの町から車で1時間半ほど離れた避暑地グラマードは、12月から1月までの間、町全体が紫やピンクに染まるほど群生する紫陽花が花開き、ドイツ風のメルヘンチックな町並みとともに観光客の人気を集めている。
 また、そのすぐ隣のカシアス・ド・スールはイタリア系移民の町で、本場イタリアに勝るとも劣らない上質なワインの生産地。ブドウの香りをそのまま瓶に封じ込めた爽やかな味わいで、これがなかなか美味しい。大きな肉の塊に岩塩を振りかけ、串に刺して焼いたシュラスコにもよく合う。

 シュラスコといえば、今ではすっかりブラジル料理として定着しているが、もともとはガウーショ(牧童)たちの料理で、この地方が本番。今でも休日になると家族や友人たちが集まり、自分たちで焼いたシュラスコを食べながら楽しいひとときを過ごす。